1人の少女が桜の下を歩いている。

背は小さめ、肌は透き通るように白かった。
脚は病的に細く、髪は淡い栗色で長く背中までそれをたらしていた。


その少女の名前は日高 百合亜(ひだか ゆりあ)。




今日から高校生になる。
そして、初めて学校に通うのだ。



彼女は小学校、中学校ともちゃんと通ったことはなかった。


なぜなら彼女はずっと重い病魔に悩まされていて、小学校2年生の頃からずっと入院して闘病生活を送っていたのだった。



今年の冬、ようやく外国に渡り、念願の手術をすることに成功し、今は完治という形になっている。
少ない確率と、苦しい痛みに耐え、彼女は今こうして生きているのである。