すると目の前に、 小さな男の子が視界に入る。 目はくりくりしていて 小さいのに鼻は案外高い。 あたしはぴたりと足を止める。 「 曖!! 」 振り向くとお母さんが息を切らしながら あたしの隣にやって来た。 「 もうっ勝手に行動しないの。 」 あたしの肩に手を置くと、 優しく叱った。 「 恵さん。 」 前から小さな男の子を ひょいっと持ち上げた男性が、 お母さんの名前を呼ぶ。