「 すいません!払いますから!! 」 後ろからお母さんがお財布を手に 小銭を探し始めた。 「 いいんだよ。 」 「 でも…。 」 戸惑っているおかあさんにおじさんは にこりと微笑んであたしの頭を撫でた。 「 行っておいで、お嬢ちゃん。 」 また黙って頷くと、 杏飴を手に走り出した。 「 曖!本当にすいません。 」 「 いいんだよ、ありがとうね。 」 二人の会話がまだ聞こえて来る。 そして後ろから、 「 曖!待ちなさい!! 」 お母さんもあたしの後を追いかけて来る。