あれは




 12歳の真夏の夜だった。






 
 胸まである髪は上に結い上げて




 紺色の浴衣をお母さんに着付けてもらい



 
 手を引かれながら近くの



 
 お祭りへとやって来た。




 大勢の人で賑わい、




 色んなお店が並んでる中、



 
 あたしとお母さんは、



 
 そんな中をゆっくり歩いていく。




 美味しそうな杏飴屋さん。




 あたしは無言で、




 杏飴屋さんに駆けて行く。