無事に葬儀も終わった。


何故か琢磨は私が抱っこすると泣き止む。


母が抱いても父親の琢哉さんが抱いても泣くのだ。


「琢磨はどうしちゃったんだろうね。奈都の事ママと思ってるよ。」


そんな事言われると辛い。


琢磨と別れなくてはいけない現実が胸を締め付けた。


「今の仕事を辞めて、琢磨を連れて九州へ帰ろうと思います。妹が琢磨をみてくれると言うので。」


琢哉さんと琢磨いなくなる事に、私は耐えられるだろうか。


心の中にずっとしまい続けている、琢哉さんへの思い。


このまま口にする事も出来ずに別れるなんて、辛過ぎる。


「会社を辞めなくてもいい方法がある。琢磨は私と奈都で見るし、部屋も空いてるから、ここで暮らしてみない。」


母さんはたまには良いこと言うね。


琢哉さんお願いだから考え直してほしい。


琢磨と離れたくないです。


涙が止まらなかった。


神様お願い。


私の我儘な思いを叶えて下さい。


両手を合わせて祈り続けた。


琢哉さんの顔が見れない。


琢磨のつぶらな瞳が私を見つめていた。


琢磨も奈都オバチャンと離れたくないでしょ。