多分俺は怖い顔をしてたのか。


奈都ちゃんが心配そうな顔で俺を見た。


「琢哉さん難しい顔してどうしたの。今日の事なら大丈夫だよ。琢磨といきなり二人になって琢哉さんパニックただけ。」

奈都ちゃんは俺の心が見えたかのように、三人でいれば大丈夫だと言った。


三人で出口の分からない迷路に入り込んでしまうのか。


それを望んでいるのかも知れない。


出口の分からない迷路でも、奈都ちゃんが側にいれば楽しいと思えるから不思議だ。


奈都ちゃんは俺と琢磨の救世主。


もう少しこのままで三人でいさせて下さい。


結論を出すのが怖いのだ。


今は三人で頑張っていきたい。


奈都ちゃん、ありがとう。


もう少しだけ一緒にいて下さい。


俺には一歩踏み出す勇気がなかった。


風間、ごめんな。


奈都ちゃんを誰に譲れそうもない。