母さんが残酷な事を言った。


分かってるけど、はっきり言われるのは辛い。


もうこれ以上言わないで。


「琢磨のママになろうとか思ってるなら、大きな間違いだからね。琢哉さんはいずれこの家を出てく人、母さんは奈都がこれ以上傷付くの見たくない。」


中学生の私が琢磨のママになれる訳がない事ぐらい、分かってるつもり。


琢磨を可愛いがっては駄目なの。


琢哉さんを好きだなんて絶絶対言わないし、琢哉さんと結婚したい訳でもない。


琢哉さんが今でもお姉ちゃんを愛してるのを知ってるから、ただ一緒にいたいだけだ。


琢磨と琢哉さんと三人でいられたらそれだけでいい。


私にだってまだまだやりたい事もあるし。


勉強頑張って高校へは行くつもりだ。


亜矢と買い物とか旅行にも行きたい。


将来はどうしたいのか、私の夢は何だろうか。


考えても答えは出なかった。


私の未来に琢哉さんと琢磨しか見えない。


そんな事間違ってるけど、それしか考えられなかった。