琢磨が可愛くて、離れる事なんか出来ない。


琢哉さんがここを出て行く事になったら、琢磨を連れて行かないでと言ってしまいそうだ。


父親は琢哉さんだからそんな事は無理、中学生の私は琢磨を育てられない。


高校行へ行かずに琢磨を預けて働いても、琢磨を育てる事は出来ない。


15才の私が琢磨を育てる事は絶対無理なのだ。


悔しいな。


早く大人になりたい。


いつか必ず琢磨と別る日が来る。


離乳食を口にベタベタにつけて、にぃって笑う琢磨。


可愛くて、愛しくて、離れられない。


琢磨は私の事ママって思ってるかな。


嫌がる琢磨の口をやさしく拭いた。


「離乳食を奈都ちゃんがくれると、みんな食べるんだな。俺がくれるとみんなペって出してしまうんだ。」


琢哉さんまだ私を必要としてくれますか。


琢磨といてもいいですか。


声に出せないから、心の中でそっと呟いてみた。


ずっと奈都ママでいたいです。


我儘な思いを叶えて下さい。


他の事はなんでも我慢するから。


神様お願い。