泣き疲れて眠ってしまったけど、いったい、何時なんだろ。

部屋から出ると、キッチンでご飯を作る琢哉さんを見つけた。

「琢哉さん、母さんは。」


「仕事に行ったよ。奈都ちゃんはよく眠ってたから起こさなかった。」

琢哉さんに申し訳なくて、何を話していいのか分からない。

琢哉さんは何も悪くないのに。


「ごめんなさい。」


私が我儘だから、こんな気持ちになってしまうんだ。


「奈都ちゃん謝らないで。奈都ちゃんの元気な顔が見られないのは本当に辛いからね。」


大丈夫、笑えてるかな。


「琢哉さんは料理も出来るんだね。」


「叔母が働いていたから、子供の頃からご飯作るのは当たり前になってたよ。」


美味しそうな料理が並んでいた。


「凄いなぁ、琢哉さん。」


本当に美味しそうだ。


「奈都ちゃんが笑顔になって良かった。奈都ちゃん沢山食べてよ。」


いただきます。


琢哉さんの前では笑顔でいよう。


私がメソメソしてたら琢哉さんが困るから。


琢哉さんを困らせたくない。


琢哉さんを嫌いになれないなら、どんな琢哉さんでも好きでいようと思う。


だから、笑顔でいる。


琢磨、奈都ちゃん、笑えてるよね。


琢磨、奈都ちゃん大は丈夫だよ。


琢磨の為にも笑っていたい。