琢磨を抱いて車から下りた。


リビングにいる母に琢磨を預け部屋に入り鍵を掛ける。


琢哉さんからのプレゼントだった服を脱ぎ捨て、自分の服に着替えた。


声を殺して泣く。


二度と夫婦の真似なんかしない。


天国のお姉ちゃんが怒っているんだ。


お姉ちゃん、琢哉さん好きになってごめん。


今日の事は一杯泣いて全部忘れて、明日からは又元気な私に戻るから。


お姉ちゃんが今の私見たらどう思うかな。


多分、怒るよね。


バカだねって言うのかな。


だめだ、涙が止まりそうにない。


泣くのにも疲れた。


どんなに泣いても涙が枯れる事はないみたいで。


琢哉さんを好きにならなかったら、こんな思いをせずに済んだのに。


どうしようもないバカだ。


もうやだ、琢哉さんの事を嫌いになりたい。


嫌いになれば楽になれるはずだから。


そんな事出来る訳がないのに。


泣き疲れて眠ってしまった。