優しい瞳で私を見つめる愛しい人。




「奈都、卒業おめでとう。」



琢哉さんが花束をくれた。



何がなんだか訳が分からない。



なんでここに琢哉さんがいるの?



琢哉さん記憶は戻ったのだろうか。



「奈都、ごめんな。沢山待たせて本当にごめん。」




琢哉さんの胸の中に飛び込んだ。



もう二度と抱き締めて貰えないと思った。


何から聞いていいのか分からなくて、言葉も出て来ない。



「ママ、パパ、なきむち。」



琢哉さんに会えただけでも嬉しいのに、私の事奈都って呼んでくれた。



琢哉さんは赤ちゃんの事知ってたけど、どうして知ってるの。



「奈都、結婚しよう。琢磨とお腹の赤ちゃん、奈都と俺の四人で家族になろう。」




琢哉さんと家族になれる。



嬉し過ぎるよ。




もう涙で顔がクチャクチャだ。




琢磨が私の涙を拭いてくれた。




琢磨、ありがとう。