15才でママになった理由(わけ)

卒業式当日、鏡のに写る自分を眺めた。




琢哉さんから手紙の返事が来ないのが、気になって仕方ない。



卒業式が終われば、琢哉さんに会いに行けるのだから。



琢哉さん、驚くだろうな。



琢哉さんと琢磨には、お揃いのTシャツを買った。



私も色違いのお揃い。



九州へ行く荷物作りとお土産も用意した。



「奈都、行くわよ。」



今日で最後、何も思い残す事はない。



早く琢哉さんの顔が見たい、それだけ。



私の事を分からなくても思い出さなくてもいい、これ以上会えないなんて耐えられそうもない。



琢哉さんの顔を見れば、きっと安心出来ると思う。




《もうすぐパパに会えるからね。でもパパとは一緒に暮らせそうもない。でもいつかきっと一緒に暮らせるように、ママ頑張るから許してね。》



お腹の赤ちゃんに話しかけながら部屋を出た。




私には父さんも母さんもいるから、大丈夫だ。




赤ちゃんが不安にならないように、もう一度大きく深呼吸をした。



あなたがいたから、今日まで頑張ってこれたのです。



ありがとう。



赤ちゃん。