バックの中を見ると、琢磨の着替えと手紙があった。


なんの手紙。


【奈都、ごめんね。本当は琢磨連れて行きたかったけど、まだ小さいから止めました。


琢哉に会いに行こうと思ったのは、琢哉が浮気してるみたいだから、突然行って探りを入れようと思います。


多分誤解だと思うけど、心配で夜も眠れないし。


母さんみたいな生き方はしたくない。


両親がいる家庭で、子供をのびのび育てたいと思う。


父親がいなくて奈都も辛い思いしたはずだから、奈都にも幸せになってほしい。2日間琢磨をお願いします。


我儘な姉を許して下さい。】



姉の旦那様北原琢哉さんは、25才のエリートサラリーマン。

琢哉さんは母の店の常連さんで、店を手伝っていた姉に一目惚れしたらしい。


付き合って直ぐに結婚、そして一年後に妊娠。


琢哉さんは結婚して二年後、単身赴任で大阪へ行ってしまった。


姉は赤ちゃんの琢磨を連れて、知らない土地に行くのは不安だと言ったが、私なら絶対一緒に行く。


琢哉さんが浮気だなんて絶対あり得ないし、あるはずがない。


どうして、信じられないのだろうか。


私には理解出来ない。