手紙を出して一週間後、又返事が来た。




封筒の裏に書かれた名前、それは北原琢哉。



読む前から涙が止まらない。




【奈都さんへ




いつも手紙をありがとう。



右手の痺れがまだ残っている為、字はうまく書けませんがどうしても自分で返事を書きたかった。



奈都さんには随分迷惑をかけたみたいですね。



その頃の事はまだ思いだせませんが、奈都さんの写真を見た時、何故か泣いてしまいました。



自分でもよく分からないのです。


奈都と言う名前を聞くと涙が溢れてしまうのか。



奈都さんの写真を見た時は、胸が張り裂けそうになった。



なんでなんだろう。



奈都さんは阿紀の妹なのに。



奈都さんはまだ中学生なんですね。



俺は奈都さんの事をどう思っていたのだろうか。



それを考えると酷い頭痛に襲われます。



もう少しで思い出せそうなのに、ごめん。



まだ奈都さんの事は思い出せないでいます。



奈都さんは俺にとって、とても大切な人ではないかと思うのです。



君の写真を抱き締めて、又泣いてしまいました。