目を覚ますと、母さんがいた。



「少し顔色良くなったね。」



「亜矢と柊人がずっと友達だって言ってくれた。赤ちゃんのことも応援してくれるって。」



本当に嬉しかったんだ。



「良かったね、奈都。」



うん、凄く嬉しいよ。



このまま、何もしないのは辛いから、琢哉さんに葉書を送る事にした。



読んで貰えなくてもいい。



【琢哉さんへ


お元気ですか?


多分私のことは覚えてないと思いますが、私は琢哉さんの奥さんだった、阿紀の妹の奈都といいます。


琢哉さんはお姉ちゃんが亡くなって、しばらくの間、琢磨と一緒にここで暮らしていました。


琢哉さんと琢磨と過ごした楽しい時を、忘れる事はできません。


私は自分で決めた道を一生懸命生きて行こうと思います。


琢哉さんとお会い出来る日を楽しみに、頑張る事にします。



奈都より】




琢哉さんは読んでくれるだろうか?




奈都って誰だろうと思うかも知れない。




それでもいいから、葉書を書こうと思った。