亜矢が優しく抱き締めてくれた。



「奈都の妊娠は誰にも言わないから安心して。いつまでも琢哉さん待つんでしょ。最後まで赤ちゃんと一緒に頑張りなさい。柊人も中途半端な優しさは、奈都の為にならないから。」



亜矢、ありがとう。




「琢哉さんの代わりでいいから、奈都のそばにいたいんだよ。」




柊人。



「柊人は本気でそんな事、思ってる訳。」



「ああ、 」



「柊人が琢哉さんの代わりに奈都の側にいて、赤ちゃんも生まれたとする。そこに記憶を取り戻した琢哉さんが現れ、奈都と赤ちゃん連れて行くんだよ。琢哉さんの代わりって、そう言う事なんだよ。」




柊人はうつ向いたまま。



「琢哉さんの代わりでいいと思うけど、奈都と赤ちゃん持っていかれるのは辛いな。」



柊人の本当の気持ちが聞けて良かった。



「だからやめなって言ってるの。柊人は琢哉さんの代わりになれない。」



亜矢の言う通りで、一瞬でも柊人を頼った事は間違っていた。




本当にバカだね。



柊人、ごめんね。



私のせいで嫌な思いをさてせしまった。