そんな辛そうな顔をしないで下さい。


覚悟を決めました。


「奈都ちゃん勝手に決めてごめん。俺にもこの方法が正しいのか分からない。琢磨に酷い事してるのかもしれない。」


私にも分からない。


「琢哉さんは私と別れて平気なの。」


勇気だして聞いたのに、琢哉さんが泣きそうな顔になるの。


私は泣きたいのを必死で我慢した。



「俺は泣きたいよ。」


男だって、泣きたいときは泣けばいい。


「泣きた時は我慢しないでよ。」


「どちらが大人なのか分からないだろ。」


私は大人なんかじゃない。


「泣きたい時は大人も子供もないと思う。琢哉さんと笑顔でお別れする事にしたの。琢磨の前でも私は泣かないと決めたから。」


お願いだからそんな顔をしないで下さい。


今は。


「俺は奈都ちゃんが。」


「今は聞きたくない。」


このままお別れしよう。


「今は私の気持ちを言わない事にした。今度会えた時に、琢哉さんの気持ちを聞かせて下さい。その時、琢哉さんの気持ちに答えたいと思います。」


今は何を言ってもお互い辛いだけ。


別れても私たちには未来があると信じたい。


だから大丈夫だと、何度も自分にいい聞かせた。