今日だけは奈都ちゃんといられる事が嬉しかった。


琢磨が奈都ちゃんに抱っこをねだる。


琢磨は甘えん坊だね、って琢磨にキスする奈都ちゃん。


琢磨が羨ましくてたまらない。


「琢哉さん、どうしたの。 」


「別に。」


奈都ちゃんが笑って俺に軽くキスをした。


《俺の心読まれた?》


「琢哉さん隙あり過ぎだから、キスされちゃうんです。キスは好きな人として下さい。」


我慢出来ない俺は、琢磨を抱いたままの奈都ちゃんを抱き締めた。


《奈都ちゃん、俺は好きな人にしかキスしないよ。》


そう声に出せたらいいのに。


「南さんと再婚するの?」


再婚の話なんかした覚えがないけど。


それに南さんの事はすっかり忘れていた。


「二人の話聞いたんです。南さんは嫌だけど、他の人なら再婚しても良いと思う。」


まさか、再婚を進められるとは思わなかった。


「奈都ちゃんは俺に再婚してほしいの。風間と付き合ってるなら、俺と琢磨は邪魔だな。」


何で奈都ちゃんが泣くんだよ。


泣きたいのは俺の方なのに。


泣かないでくれよ。


又、奈都ちゃんを泣かせてしまった。


俺はどうしたらいいのだろ。


俺も泣きたくなった。