その時奈都の携帯が鳴る。


何かあったのか。


【もし、もし、琢哉さん何?え、琢磨が又発作を起こした。分かった直ぐ行く。】


奈都から携帯を奪うと秋人が話し出した。


【琢磨さん、奈都に頼るのもいい加減にして下さい。南さんと付き合うなら、南さんに頼めばいいでしょ!奈都にこれ以上甘えるなら、俺は許しませんよ。】


秋人が兄だと、今気づいた。


常はいい加減男なのに。


「秋人いいから、琢磨が心配だから行くね。秋人色々とありがとう。」


なんなんだ、この二人の関係は。


「真人兄、奈都を病院へ送ってやってよ。」


いつも頼りない真人兄も、今日は頼もしく見える。


「秋人の気持ちは分かるから、俺も白黒はっきりさせて、琢哉さんにガンと言ってやるよ。」


真人兄が兄貴に見えたぞ。


真人兄は常に冷静で怒った事などない。


真人兄、奈都を頼むな。


真人兄ならきっと奈都を救えると思った。