さっきから隣の秋人の部屋が煩い。


秋人と真人兄と女の声。


三人で一体何してるんだ。


俺は必死に聞き耳を立てた。


女とホテル?


あれ、奈都がいるのか。


奈都ってあの奈都だよな。


まさかな。


俺を簡単に振った女。


俺の背が低い事をバカにして。


その奈都がいるのか。


奈都なら文句言ってやんねぇとな。


秋人の部屋の前に行き、ノックと同時にドアを開けた。


そこにいたのは、紛れもなく俺を振った170cm女の奈都。


「おまえなんでいんだよ。」


「俺の部屋に勝手に入るなよ。」


「ノックしたし、なんで奈都がいんの。」


秋人と真人兄がため息をついた。


二人して、なんなんだ。


俺には秘密の話か。


「直人がいると話しがややこしくなる。おまえ関係ないから部屋から出てけよ。」


はぁ、なんなんだよ。


俺は奈都に振られたんたぞ。


「関係ないだと。俺は奈都に振られたんだ。」


恥ずかしいけど。


「直人でてけ。」


そんな事言われたら、よけいに出て行きたくなくなる。


俺だけ仲間外れにして、何をくわだててるんだ。


面白くない。


絶対部屋から出て行くものか。