15才でママになった理由(わけ)

奈都ちゃんには本当に敵わないな。


そろそろ戻っても大丈夫かだろうか。


「奈都ちゃん、又デートしよう。」


「うん。」


良かった、奈都ちゃんに笑顔が戻って。


「夏休みは南さんとの別荘にも行けるし、奈都ちゃんと沢山デートしたいな。」


南さんと言っただけで、奈都ちゃんが反応した。


よっほど苦手なんだな。


俺たちが病室へ戻ると、病室の中から南さんの声が聞こえた。

「お父様に琢哉さんと結婚させてほしいとお願いしたの。明日会社でお父様から話しがあると思うから、琢哉さん承知しておいて下さいね。」


奈都ちゃんが聞いてるのに、不味いな。


せっかく奈都ちゃんに笑顔が戻ったのに。


「悪い話しではないはず、もし断ったら会社にいられないませんけどね。」


これは脅しだよな。


南さんがこんな女だったなんて思ってもみなかった。


奈都ちゃんが青ざめた顔で、病室へ入ろうとしない。


どうしたらいいんだ。