琢磨にパパいらないなんて、絶対言わせたりしないから安心してほしい。


琢哉さんにミルクの作り方とオムツの変え方を教えた。


「琢磨が生まれてすぐに大阪へ行ったから、琢磨を風呂に入れた事もないよ。」


そうだったんだ。


「今日から琢哉君が琢磨お風呂に入れてね。お風呂の入れ方は奈都に聞くといいわ。宴会あるから早めに店行くね。」

琢哉さんがお風呂に入れるって事はもちろん裸な訳で、いくらなんでもそれは不味い。


私のそんな気持ちに気づいたのか。


「奈都ちゃんは俺にとっても可愛い妹。妹に裸見られるぐらい全然平気だよ。」


私が大丈夫じゃないんだけど、それになんかへこむ。


25才の琢哉さんから見れば私は子供だ。


琢哉さんを好きな気持ちは絶対なのに。


琢磨のパパは本当に鈍感だ。


私の気持ちは全く分かっていない。


好きなのに告白も出来ないのは本当に辛いな。


ため息ばかりついてるから、かなり幸せが逃げっていった感じがするけど。


私は何を望んでるのだろ。


本当にバカみたいだ。


私は琢哉さんの妹に変わりないのに。


それ以上は望んじゃ駄目なのに。


分かっていても苦しくてたまらなかった。