これ以上身長が伸びたら、琢哉さんを越えてしまいそう。


それだけは嫌だ。


「奈都、痛い。」


「叩いたんだから、痛くて当たり前。」


秋人は帰すべきだった。


「俺は身長187あるし、俺たち釣り合うな。」


はぁ。

「身長だけがね。」


「なんか、冷たくねぇ。」


優しくする必要がないです。


おしゃべりな男も嫌いだ。


「口動かす前に手動かして。」


「はい、はい分かりました。奈都の事誉めて損した。」


なんで、バンバーグを丸めてるのよ。


「秋人、こんなボール作ってどうすんの。」


「ハンバーグは丸くていいんじゃねぇの。」


ボールみたいに、まんまるくしたら、中に火が通らない。


秋人に頼むんじゃなかったな。


「真ん丸だと焼きにくいでしょ。」


秋人と2人ではダイニングで大騒ぎしてる所に、琢哉さんが帰って来た。


琢磨を背負ってハンバーグを作っていた。


「奈都ちゃん、今琢磨とるね。」


琢磨の体重が増え、背負うとかなり重く感じる。


肩が痛くて、トントン叩く。


「こちらが経理課の同僚の南可憐さん。阿紀と高校が一緒だったらしい。阿紀から彼女の名前を聞いたことはなかったけど。」


お姉ちゃんから、南さんの事を聞いた事がある。


お姉ちゃんがいつも心配してた。


琢哉さんがお姉ちゃんと結婚する前から、南さんか琢哉さんを好きだと言うことを。


今でも琢哉さんが好きなんだろうか。


南さんは苦手なタイプだった。