「かなっぺ~。」


「あっ、のんちゃん。」


「体育の鬼クマ、時間に厳しいからね!」


そうだった。遅刻したら校庭10周が、あたしを待ってる~。

「佐久間、悪かったな。 鞄のことは、忘れてくれ。」


「大地…。」


教室を去って行くアイツの後ろ姿。


見てたら、あたし…妙に寂しいような変な気分になった。


「ほら、ほら、ボーッとしない!」


のんちゃんが、あたしの肩を押した。