「そのとき…携帯越しに、女の子の声がしたの…」 『…うん』 「そ…それでっ…好きって言ってるのも聞いたの…っ」 『…』 「すごく、…ショックだった」 『…うん』 「女の子に、好きって言ってるのもショックだったけど…、そんなんじゃなくて…1番…ショックだったのは…っ」 『…?』 急に話を止めたあたしを、悠ちゃんはたぶん不思議そうに見ていたと思う。 あたしはぎゅっと目を瞑って、あたしたちが付き合い始めた頃のことを思い出していた。