ねぇ、好き?




伸ばした手が、ピタッと止まる。



好き、ってなに…



あたし以外に好きな子がいるの…?



“――、―――!”



電話の向こうから聞こえる、女の子の声。



不安で仕方なくなって、あたしは悠ちゃんの手を握った。



悠ちゃんはあたしを振り返ると



『…あ―、ちょっとごめん。切るわ』



ピッ、と電話を切った。



「………」