ナツの誘惑





那都は言った



昼間の雄蝉は

雌を引き寄せようと命の限りに必死で鳴いてる



でも夜に鳴いてるのは

捕まらなかった雌のせいで昼間の興奮が冷めきらなくて

いつまでも欲望のまま鳴いてる雄蝉だって



そしてそれが

今のオレみたいなんだって



途切れる声で笑う那都



バカらしいけど、それが別に作り話であろうと本当のことであろうと

オレにはどうでもいいことだった




「ちょっと…怖いかも」


「優しくするつもりなんてないけど」




割れた胸元の浴衣に手を差し込めば、待っていたように柔らかい感触が刺激を与える

それが全身の反応へと伝わって、抑える呼吸が激しくなって