ナツの誘惑




たぶんオレと那都は

お互いが相手を利用してるだけで

どうしても必要なわけじゃない



その気になれば代わりはいて

相手が去るなら

それを追うこともない関係




そう、きっと……






Pipipipipi



「あ、ケータイ」




篤志の携帯に入った着信は、どうやら部活の仲間らしかった




「わりぃ!緒斗、オレ部室のカギ持ってんの忘れてた!今から閉めに来いって言うから、那都のこと頼むよ」




そう両手を合わせると

篤志は那都に何も言わないままその場を後にして



人混みにその姿が消えると

オレの後ろには
さっきまでの気配が戻る




「緒斗くん…?」




篤志、お前はオレに

那都の何を頼むんだよ