ナツの誘惑




貰った景品を小脇に抱えて

那都は綿菓子を買う列に一人並ぶ



篤志と二人ベンチに座ったオレは

なんとなくその後ろ姿にも目を離せなくて

ただ遠く掲げられた煌めきを追うように那都を眺めていた



夜空に響く打ち上げ花火

グリーンの光が

オレたちの顔色を誤魔化す




「なぁ、どう思う?」


「…なにが」


「那都だよ。あいつあんな感じだから、オレやっぱり怖くて手出せないんだよな。…何かしたら、嫌われちゃいそうだろ?」


「…………」




オレに問いかければ、すぐに答えが返ってくるとでも思ったのか

篤志は真剣にオレに打ち明けてきた



でもその答えは

オレにだってわからない



むしろ

このまま進めばあいつはどうなるのか

本心では何を狙ってるのか



オレが教えてほしい