ナツの誘惑




想う相手に会いたいと思うように

落ち着かないけどそれとは違う



オレは一体

どうしたいんだ…?








「…緒斗くん」



遠く記憶にある呼びかけに反応して

オレは閉じたままの瞳で辺りを伺った



久しぶりに降りてくる

誘惑の声




「ねぇねぇ、夏…好き?」


「……キライ」


「ふぅ〜ん。じゃあ那都は?」


「…………」




ゆっくりと瞼を開けば

那都が嬉しそうに微笑みながらオレを見ていた



まるで

一人何かに耐えていたオレを

嘲笑するかのように