第二ボタンと春の風



「え……」


玄関あたりにはまだ1組のみんながたくさんいて、こんなところで激白するわけにいかなかった。

私は泣きそうな心をなだめながら、

必死に涙をこらえて言った。


「いいんじゃない、石井。
すごくいい奴だよ……」


最後のほうはもう声にならなくて。

それでもなんとか言い切ったら、
安藤が「亜紀!」と私を怒鳴った。




だって、勝ち目ないよ。



素直になれない私なんて……

見た目もたいして可愛くないのに
性格まで不細工なんて、

こんなにかわいい麻衣に、

太刀打ちできないよ。