第二ボタンと春の風



「どおなの、亜紀!」


麻衣が迫ってくる。

っていうか、
そんなに綺麗な顔を近づけないでよ!
緊張する!


安藤はなんにも言わない。

ただ黙って私を見ている。





『付き合ってなんかない』


即答しなくちゃいけないのに、
できない。


付き合ってはない、

……でも、



私は一方的に石井が好きだよ。



こんな人前じゃ、
言えるわけないけど。