第二ボタンと春の風



インターホンに震える指をのばしかけて、
ためらう。


いきなり来たから、
変に思うかも。


具合悪いのに押しかけちゃ悪いかも。


どうしよう、
どうしよう、

……ポストに入れて帰ったらだめかな?



そんな風に思っていたら、

不意に声をかけられた。


「もしかして……亜紀ちゃん?」

「おっお母さん!」


振り返ると、
石井のお母さんがスーパーの袋を片手に立っていた。