第二ボタンと春の風


「あ……うん……」

「あれっ、
てっきり石井と一緒かと思った!
亜紀、渡せたの、ちゃんと」

「それが……石井休みで」

「えー!タイミング悪!」

「最悪でしょ」


それだけで絶望的ななにかを感じた。


「……わかった」

「へ?」

「亜紀、行ってきなよ」


安藤の大きな目がキラリと光ったように見えた。

激しく嫌な予感。


「……どこに」

「石井んち!」


やっぱり!

私は無茶を言う親友に首を振った。


「むっ、無理無理無理!
100パーセント無理!
明日でぜんっぜんいいよ!」


わかっちゃいないなあと安藤が指を振る。


「亜紀、あんたさあ、そんなぼけーっとしてたらまたケガするよ」

「うっ」

「しっかり渡して!
スッキリしようぜ!」