第二ボタンと春の風



寄せ書きをしたラケットカバーと
寄せ書きをしたB5のノート。

準優勝のトロフィーとメダルと賞状は、
後日学校で渡されることになった。


3年間必死にやってきて

残ったものはなんだった?



涙、笑顔、笑顔、笑顔、

ケンカもしたし、

すれ違いもした。





人が次々に帰って行く、スポーツセンターの10面もあるテニスコート。


私と安藤はユニフォームのまま、

オレンジに染まる最後の光景を目に焼き付けていた。


「……私、ちょっとその辺歩いてくる。
すぐ戻るから」


安藤はそう言って、
私を置いて行ってしまった。


残された私は、芝生の斜面に座って、テニスコートを見下ろしていた。