「何?」 「1回だけ…1回だけでいいんで、あたしの名前呼んでください…。」 「…真衣。」 「あ、ありがとうございます。この1カ月、あたしは凄く楽しかったです…!!そして、本当にごめんなさい…。」 こいつ…真衣は、泣きそうな声を出しながらも、最後まで涙を見せなかった。 その上、最後には笑顔を見せた。 屋上に一人残された俺は思った。 雪村真衣…最強だな。 俺にはこんな真似できねぇ。 「あれ、聡?今日早くない?」