『舞桜』



でも、これもいいかもしれない。

たまには、真っ向からかかって来られるのも面白い。

ふと、そう思った。



桜花は、偽物だらけの大人の中で育った。

子供の桜花が生きていくには、
自分の存在を主張し、相手の感情に合わせた対応が必要だった。


それは張り付けられたもので、彼女のような本物の感情ではない。

桜花が唯一感情を出すのは、雫に関してのみだった。


いちいち感情のまま動けば、死に繋がる。


だからこそ、桜花は、本当は、


羨ましかったのかもしれなかった。


本人が気付いていないだけで。


もっと、子供のように。
もっと、子供らしく。





そう、ありたいと。