『舞桜』



………まだいたのか。

そう言いそうになって口を噤む。


確かこの教師も、それなりの権力をもつのだと香が言っていた。


そんな人物相手に、こんな人前で、先のように軽々と憎まれ口をたたくことなど危険である。



喚いていた彼女も怒鳴り返そうとして、椎名であることに気づいて口をつ噤んだ。


依然、憎らしそうにこちらを睨み付けているけれど。


椎名が力を持ってるのは本当らしい。


もしくは、この女の家が弱いのか。

なんて失礼なことを考えていると、彼女に


「絶対に、潰してやるんだから」


と、物騒なことを言われた。


やっばりあれは良家の人間じゃないんだと勝手に決定すると、こんな中で生活しなければならないことに嫌気がさして来た。

雫もよくこの中で生活できたものだ。