十五の妄影(もうえい)

反吐が出る…!

「お前ら…!」

僕は喚き散らした!

「お前ら僕に対して今まで何をやってきた!?寄ってたかって僕一人に対して何をやって来た!?僕に許しを乞える立場かっ!!!」

その激しい感情が、妄影を更に加速させる。

襲い掛かる黒い影は、クラスメイト達を次々に鷲掴みにした。

妄影は、僕自身が驚いてしまうほどに貪欲だった。

何人も、何人も、何人でも。

ズルリ、グチョリ、ヌルリと。

先程までよりもスムーズに、簡単に人間を嚥下していく。

体格こそ僕やクラスメイト達と然程変わらない妄影だというのに、一体その体のどこにあれだけの人数をおさめていっているというのか。

僕すらもわからない身体構造。

妄影はまさしく、理解の範疇を超えた生命だった。