十五の妄影(もうえい)

その体液の気持ちの悪いビジュアルに、悲鳴を上げるクラスメイト達。

だけど性質の悪い事に。

「……」

それだけだった。

頭がひしゃげ、人間にあたる血液を噴き出しながらも、妄影はまるで堪えていなかった。

それどころか、ゆっくりとダメージを受けた箇所が元通りになっていく…。

「う…あわ…あうぁあぁあ…」

不明瞭な声を上げ、恐怖と戦慄に腰を抜かして尻餅をつく男子生徒。

そんな彼の足を掴み。

「ひぃぃいいぃあぁあぁあ!」

妄影は彼を足から飲み込み始めた。

今までの犠牲者は皆、頭から。

しかし彼は足から。

そのせいで、飲み込まれる際の苦悶の表情がクラスメイト達の眼前に露わにされる。

「うげっ!うげぇぇぉぉえぉえぇぇっ!」

胴を締め上げられるように、妄影に嚥下される男子生徒。

その苦しさに胃液を嘔吐しながら、痙攣し、白目を剥く。

「たずげっ…だずげでぇ、え゛ぇ゛え゛ぇ゛ぇ゛えぇぇぇ…っ゛!!」