十五の妄影(もうえい)

「うわぁああぁぁあ!」

「いやあぁぁあぁぁっ!」

男も、女も。

妄影の姿に嫌悪を入り混じらせた悲鳴を上げる。

…苛立った。

妄影は僕の分身だ。

その僕の分身を見て、嫌悪の声を上げる。

つまりそれが、お前達の僕に対する認識。

お前ら…僕に対してそんな思いで視線を向けてたんだな…!

行動に出るのは早かった。

妄影は天井から片手を伸ばし、一人の女子の頭を掴む!

「やだあ!やだやだやだやだやだ!」

女子は泣き叫ぶ。

何とか妄影の腕を振り払おうと、もがく、暴れる、足掻く。

しかしその抵抗も虚しく。

「!!!!!!」

最初の男子生徒よりもあっけなく。

ずるりと音を立てて、彼女は妄影によって粘液まみれのぬめついた口腔内へと飲み込まれていった。