十五の妄影(もうえい)

校舎を出て、下駄箱へ。

「……」

僕の靴箱の中のスニーカーには、たっぷりの校庭の土が入れられていた。

無言のまま土を捨て、靴を履き替えて歩き出す。

駐輪場にいけば、僕の自転車は横倒しにされている。

この間はタイヤの空気を抜かれていたっけ…。

あれよりはマシだ。

自転車を起こし、鞄をカゴに入れてサドルにまたがる。

その横を楽しげに談笑しながら歩いていく生徒達。

…僕は何が違うんだろう。

彼らと僕の違いは何だろう。

僕がこんな苦しみを味わう理由は、一体何なんだろう…。