十五の妄影(もうえい)

その言葉を聞いた瞬間。

「っっっっっっっ!!」

ぞわり、と。

僕の中で何かが動いた。

その気配に気づいたのだろうか。

強い悪寒を感じ取ったみたいに、クラスの全員が僕の方を見る。

…僕は…震えていた。

だから止せって言ったんだ…。

僕は必死に冷静でいようとしたんだ。

感情を昂ぶらせないように、必死で抑えたんだ。

なのにお前らは、関係ない佐奈さんまで巻き込もうとした。

もう知らない。

知らないぞ…。

全部お前らが悪いんだ…僕をこんなに追い詰めるから…!

「お前らも母さんみたいに消えてしまえっ!」