十五の妄影(もうえい)

午後の授業、ホームルームが終わり、下校となる。

一斉に席を立ち、思い思いの行動をとり始めるクラスメイト。

僕は特に部活はやっていない。

学校が終われば帰宅するだけだ。

そんな僕を。

「っ!」

突き飛ばして教室を出て行く男子数名。

こんな事も日常茶飯事だ。

事を荒立てれば、『たまたまぶつかっただけなのに石田が因縁をつける』などと言われ、更に孤立する原因となる。

何をされても、明らかに悪意を感じても。

僕は抵抗できない。

ただひたすら耐えるだけの毎日。

それが僕の高校生活だった。