手を振る晋作君に、同じように手を振りかえしてドアを閉める。

…今日は思わぬ事になってしまった。

けど。

夜道を歩きながら思う。

後悔はしていない。

同情であんな事した訳じゃない。

私は本気で彼をやり直させてあげたい。

十五歳という一番多感な年齢。

一度しかない、思春期。

その大切な時期を、いつか大人になって振り返った時、封じてしまいたくなるような悲しい思い出だけのものにしてあげたくない。

その為なら、私は何だってしてあげたかった。