十五の妄影(もうえい)

私とその視線を交錯させる事なく。

「その力を使って、嫌いな奴に復讐しようとか思いませんか…?」

「……」

ああ…そうか…。

私はやっと、彼の質問の意図がわかったような気がした。

そうなんだよね…。

いじめ続けられていれば、誰でもが一度は考える。

同じ苦しみを、アイツにも味わわせてやりたい。

自分をいじめたアイツにも、同じだけの涙を流させてやりたい。

それは汚い気持ちではないと思う。

むしろ当然の事。

苦しいんだもの。

悲しいんだもの。

辛いんだもの。

そういう発想になったって、誰も責める事は出来ない。