十五の妄影(もうえい)

僕から生まれた黒い僕。

この影に、僕は『妄影(もうえい)』と名前をつけた。

僕の黒い妄想から生み出された影。

世界も、人間も。

僕を否定する全てなんて壊れてしまえという僕の妄想から生まれてきた、もう一人の僕。

似合いの名前じゃないか。

「よろしくな…妄影」

そう告げると。

「……」

言葉を理解したのだろうか。

妄影は小さく頷いて見せた…。