十五の妄影(もうえい)

今日ばかりは。

今日ばかりは母さんも同情してくれると思った。

相談に乗ってくれると思った。

そう思ってたんだ。

なのに。

「もう、あんたって子は!どうしてこう次から次へと面倒事を持って帰るの!」

それが母さんの第一声だった。

「母さん只でさえ仕事で忙しくて、帰ってきてからも家の用事もあってクタクタなの!なのに何でそんな格好で帰ってくるの!そんなに母さんに面倒かけたい訳!?」

「……」

ああ…。

これでわかったよ…。

一人だ…。

僕は一人だ。







ボクハ…ヒトリダ…。