十五の妄影(もうえい)

だけど、非力で弱気な僕に何の力がある訳でもなく。

「いいな!絶対連れて来い!」

クラスメイト達は捨て台詞と共に柔道場を出て行った。

「……」

畳の上に這い蹲ったまま、僕は立ち上がれない。

何だ、これ…。

何だよ、この理不尽な扱いは…。

僕が一体何をした?

こんなボロクズみたいに引きずり回されて、顔を血まみれにして。

ここまで虐げられなきゃいけない理由がどこにある?

僕がここまで忌み嫌われなきゃいけない理由は…何だ!?