十五の妄影(もうえい)

そこからは…。

地獄だった。

クラスメイト達は狡猾だった。

柔道着を着た奴だけが、僕に暴力を振るった。

授業で習った柔道の技で、投げ飛ばしたり、締め付けたり。

何度も窒息寸前まで締め上げられて、受け身も取れずに畳に叩きつけられた。

それでも教師に見つかったとしても、『柔道の練習をしてました』なんて強引な言い訳がたつ。

計算高くて、ずるくて…卑怯だった。

僕は一人。

相手は十人以上。

何度も何度も叩きつけられ、締め上げられ、逃げようとすれば他のクラスメイトが捕まえて柔道場に引きずり込んだ。

息が上がり、全身が痛くて。

鼻血と、涙と、涎とで、顔がドロドロになった。

制服の袖が千切れて、青痣がそこら中に出来た。